『摂食障害あいうえお辞典』
NPO 法人 あかりプロジェクト[編]、中村 このゆ/福多 唯/村田 進[監修]
1,050円(税込)
ISBN978-4-434-18550-2 C0047
いままでなかった!
コンパクトなA6判に「わかってほしい! ほんとうのキモチ」があいうえお順に満載された、周囲と当事者をつなぐ摂食障害「こころの辞典」
やめたいと願いながらも、何かにとりつかれたように大量の食べ物を食べ続けてしまう『過食』、そのように食べ続けた後、吐いてしまう『過食嘔吐』、食べることを極端に制限したり、食べ物を受けつけなくなってしまう『拒食』などを主な症状とする摂食障害。
この辞典を編集した「あかりプロジェクト」は摂食障害を経験したメンバーが中心となって活動している。それぞれがかつて絶望的な思いを抱え、もがき苦しんできた。その経験を基に、今、苦しい方たちに“回復していく過程で本当に必要だと感じたもの”を届け、少しでも楽になってもらいたいと願いながら、日々模索を続けている。
この辞典の制作は、そんな中で耳にした当事者の家族からの「子どもはこんな時、どう思っているのかしら…」という声に端を発している。
この辞典は、まず2011 年10 月に、あかりプロジェクトに実際につながっている当事者の声を集め、100 個あまりのキーワードにまとめたものがiPhone アプリ『摂食障害あいうえお辞典』としてリリースされ、その後、「iPhone 以外の手段では読めないのでしょうか」という多くの人々の要望に応えて、今回書籍として公刊された。
書籍化にともなって、監修者やドクターのご意見もいただきながら再度原稿を見直しし、加筆修正を加えた内容となっています。摂食障害といっても、回復への道のりはそれぞれ違うと思いますし、この辞典の事例がすべての方に当てはまるとは言えないかもしれません。ですが、この辞典を読み、そのキーワードに思いを馳せることで、当事者の方やその周りの方たちが抱えておられる苦しさが少しでも軽減されることを願っています。(「はじめに」より)
長く「言葉」を奪われた者が、自分で紡ぎだした言葉。当事者の涙と数え切れないため息と、絶望と苦悩を長い時間かけて寝かせ、醗酵させた豊かな土だけが産めるFresh なFlesh からの力強いメッセージ。それだからこそ、今この本を手に取っているあなたがもしも当事者であるならば、まっすぐにその心に届くだろう。ご家族にとってはこの上ない翻訳書となるだろう。そして、援助者は当事者の持つ強さをきっと再認識することだろう。(「あとがき」より)