この本は占いについての本ではなく、タロットカードを利用した、自分の中に住むインナーチャイルド（内なる子供）を見つめるための癒しのワークブックです。タロットカードの順番に、子供を主人公にした物語を創り、タロットカードを潜在意識に触れるためのガイドラインとして使用しています。十歳の子供になりきって、物語のセリフや主人公の気持ちを考えていくことで、子供の頃の自由な想像力や感性、素直な気持ちを解放し、取り戻すことを本書の目的にしています。
厳しい現実に触れて大人になるうちに、人は子供の頃の豊かな想像力や夢見る力、好奇心などを自ら封印し、それらの性質を子供っぽいことだとして忘れ去ってしまうのです。インナーチャイルドとは遊び、想像力、正義感、挑戦意欲、希望などの象徴です。この力を抑圧しすぎてしまうと、夢をみることは虚しいことだと挑戦する前から努力を諦めてしまったり、自分なんて取るに足らない人間だ、などと思いこんでしまいます。けれど、人はいつでも変われるということや、夢に向かって着実に努力を重ねていけば必ず実現できる、ということをあなたの中のインナーチャイルドは決して忘れることはありません。
本書はタロットカードをまったく知らない人でも楽しめるように構成されています。タロットカードは、自分の潜在意識からのメッセージを読み解くための、とても便利な象徴システムです。この本をきっかけに一人でも多くの方に、自分の本当の在り方を見つけるための一つのアイテムとして利用できるようになっていただけたら嬉しい限りです。では、タロット物語セラピーをお楽しみください。（「はじめに」より）