『吉福伸逸の言葉』
向後善之ほか[著]
定価(本体1,700円+税)
ISBN978-4-434-20622-1 C0011
トランスパーソナル心理学を超えて追及した
真のセラピーとは?
トランスパーソナル心理学を始めとするニューエイジ・カルチャー導入の立役者・吉福伸逸の軌跡を辿り、後年にかけて集中的に追及したユニークなセラピー理論とそのワークの実際を初めて紹介。
さらに、啓発的な99の言葉を「変化と葛藤」「セラピー」「社会」に類別して、それぞれに周到な解説を加えた。
脳・情動・存在・関係性という重層するこころの四つの力のレベルを見据えて、全人間的かつ即興演奏的におこなわれた究極のセラピー理論を、直弟子たちが心を込めて忠実に書き下ろした吉福ワールド最善の入門書である。(精神分析医 藤田博史)
現在、日本で心理療法、ボディワーク、スピリチュアリティ、エコロジー、ホリスティック医療といった分野で第一人者として活躍している方々の多くが、一九八〇年代に吉福さんの影響を強く受けています。
吉福さんは心理療法のセラピストであるとともに翻訳家、著述家として一般には知られていますが、一方で、アメリカの現代思想家、哲学者たちと多くの対話をし、社会のあり方や生き方などについて深い思想を巡らせた思想家でもありました。
この本ではさまざまな角度からそんな吉福さんが語った【吉福伸逸の言葉】について紹介していきます。
● その言葉が彼のどんな人生体験から生まれたのか?
● どんな時代の背景に影響を受け、何に興味をもっていたのか?
そういったところを見ていけたらと思います。そのためにもまずは最初に、吉福さん自身がどんな人生を生きたのか、その軌跡
を順に追ってみます。彼の経歴を知ることは、彼が語る言葉の背景を知る上で大切だと思うからです。(第1章より)
第1章 吉福伸逸の軌跡
●ジャズミュージシャンからトランスパーソナル心理学へ
●吉福伸逸のセラピー理論●ワークのコツ
第2章 吉福伸逸の言葉:変化と葛藤
●個人のドラマ●不安・絶望・怒り・かなしみ●葛藤とプロセス●死と生について
●トランスパーソナル心理学とスピリチュアリティについて
第3章 吉福伸逸の言葉:セラピー
●セラピーの本質●セラピストの姿勢●過剰介入、過少介入
第4章 吉福伸逸の言葉:社会
●現代社会●東日本大震災、原発事故、日本社会●資本主義、民主主義
●他人に気を遣いすぎる人は、気づかないことが多い●だれの中にも統合失調症の要素はある●世界に存在しながら、世界に縛られない●いい人をやめるんだよ●自分を笑う●成長とはおおいなる幻想である●死は最大の癒し●セラピーとは当人が絶対に認めたくないものを認めてもらうということだ●たくさん失敗したらいいんだよ●社会という場に返すのが良いことなのか?●現代文明の問題は、過剰介入だ●原理主義同士の対話は成立しない●同じ価値観を持つ集団は、独裁者を作る●カルトは、ほぼ全てのサークルに存在する●日本の場合は、脆弱な自我が雪崩現象を起こすことがある●僕は、脱原発原理主義だ●資本主義は、奴隷を必要とする●資本主義の危機を救う最も安易な方法が戦争だ●貧しい国になりましょう 《『吉福伸逸の言葉』より》