『境界を超える英知― 人間であることの核心 ―』クリシュナムルティ・トーク・セレクション(1)
J・クリシュナムルティ[著]、吉田利子+正田大観[共訳]
定価(本体2,000円+税)
ISBN978-4-434-23002-8 C0011
教えの真髄をこの一冊に凝集
本書には、1920年代から1986年の死の直前に至るまでに世界各地で行なわれた数多くのトークや対話から抜粋された、クリシュナムルティの教えの核心に迫る言葉が、周到に編集されて盛り込まれている。
「哲学、心理学、宗教をクリシュナムルティほど継ぎ目なく統合した現代の思想家は稀である」Publishers Weekly
クリシュナムルティのラディカルな人生観を
新しい仕方で提示
本書は、真理の性質、およびそれを見るのを妨げている様々な障害物を明らかにしている 優れた語録である。
また、クリシュナムルティのメッセージの核心を提示していることに加えて、本書は読者の注意を斬新な言い回し、「古い言葉に新しい解釈を加えて」用いる仕方に向けさせ、それから実例を挙げて、人生それ自体についてのわれわれの理解を明確にし、そしてこの新しい理解に従って行動することができるようになることを示している。
本書の編集者デヴィッド・スキットによる秀逸な序文は、知識と経験へのガイドとしてのクリシュナムルティの哲学について、ならびに知識と経験がわれわれの人生において果たすべき役割、およびそれが放棄されて、「新たに見、そして行動する」ことが最善である時について論じている。
【本書の内容】
第一部 : 教えの真髄
◎ 聞くこと ◎ 教えの真髄 ◎ 真理は道なき地である
◎ 個人的な見解とは別の真理というものがあるのだろうか?
◎ 終わりのない観察があるだけである ◎ 知識依存症の人は真理を発見できない
◎ どんな技術もありません ◎ 関係性という鏡を通して真理を見出さなけれはならない
◎ 人間は自分自身のなかに安全柵としてのイメーシを作り上げている
◎ イメージの重荷が思考、関係性、そして日常生活を支配している
◎ 過去の奴隷であることからの解放 ◎ 思考は常に限られている
◎ 意識の中身が人の全存在である
◎ 生の知覚は、すでに精神に確立されている概念によって形づくられる
◎ 人間としてのユニークさは、自分の意識の中身からの完全な自由のなかにある
◎ 無選択の気づき ◎ 自由は日々の生活と活動への無選択の気づきのなかに見出される
◎ 思考は時間である ◎ 時間は心理的な敵である
◎ 観察のなかで、人は自由の欠如を発見し始める ◎ 精神の根源的な変容
◎ 全的な否定は肯定の核心である
◎ 思考する者と思考、観察者と観察されるものとのあいだの分断
◎ 観察者と観察されるものとのあいだの分断は幻想です ◎ 鏡を壊す
第二部 : 言葉と意味
◎ 言葉 ◎ 意味
第三部 : 行為しないことを通じた行為
◎ 観察する行為 ◎ 「あるがまま」とともにとどまる
◎ 基本的な問いかけをするが、答えない ◎ 知らないことの美しさ
◎ たびたび議論される事柄